本当は音叉で合わせるのが音感を鍛えるのに良いと言われていますが、なんだかんだ言ってチューナーは便利です。新たにスマホのようなチューナー「Sondery ClipTune」を入手したのでレビューしたいと思います。液晶画面と充電式バッテリーを備えるのが特徴です。
TFT液晶+充電バッテリーつきのクリップチューナー
このチューナーの特徴は2つあります。1つはTFT液晶を備えているという点、もう1つは充電式のバッテリーを搭載しているという点です。
スマホやノートPC、テレビに使われるTFT液晶を世界初(?)搭載
1つ目の特徴の「TFT液晶」は、平たく言えばスマホやノートPC、テレビの画面に使われている物です。
クリップチューナーはその昔は電卓のような白黒画面、その後LEDをつかったカラーが出てきましたが、いずれも品質はあまり良くない物が使われていました。
これに対し、Sondery ClipTuneはスマホにも使われる美しい液晶画面を搭載しています:

Sondery社はこのことについて、世界初のTFT画面搭載ギター/ウクレレチューナーだ!といっています(私は裏は取っていません)。
また、具体的なスペックは不明ですが、高解像度のディスプレイを搭載しているとしており、後述の通り確かに画面はきれいです。
TFT画面は視野角が広いのも特徴で、見やすく使いやすいチューナーと言えるでしょう。
充電式バッテリー搭載
もう1つの特徴の充電式バッテリーは、残念ながら世界初の機能ではありません。
とはいえ、電池交換が不要で気軽にUSBで充電できるのは楽ですし、長期的に見れば電池交換の費用というランニングコストが抑えられると言えるでしょう。

バッテリーの容量は90mAhと小さいのですが(たとえばiPhone16は3,561mAh)、フル充電で3時間使えますし、容量が小さい分軽いです。
Sondery ClipTuneを実際に使ってレビュー
そんなSondery ClipTuneを実際に購入し、使ってみましたのでレビューしたいと思います。
小型で軽量の本体
届いた箱を開封すると本体と充電ケーブル、マニュアルが入っていました:

マニュアルには日本語の記述もあり、怪しい海外製品のように意味がわからない日本語ということもなく、翻訳の品質はそれほど悪くありません:

本体の大きさを私が愛用しているpolytune clipと比較するとこんな感じです:

Sondery ClipTuneのほうがかなり小さいのがわかるかと思います。
この理由の1つがおそらく充電式バッテリーです。polytune clipはボタン電池で動作するため、どうしてもボタン電池よりも小さいサイズにできません。
これに対し、Sondery ClipTuneはリチウムポリマー電池という形状が柔軟に決められてかつエネルギー密度が高いバッテリーを搭載しているため小さくできます。
重さもpolytune clipの32gに対して17.5gと、かなり軽量に仕上がっています。
とはいえ、小型を売りにしたチューナーではないため、小ささやステージ上での目立たなさを重視したいならこちらの記事のチューナーがおすすめです:
2ボタンだけのシンプルなインターフェース
Sondery ClipTuneには上下に2つのボタンしかありません。
上側には電源ボタンがあり、押しっぱなしにすることで電源のON/OFFができます:

下側にはピッチを変えるためのボタンがあり、1回押すごとにピッチが+1されます:

ピッチの調節範囲は410Hzから460Hzとかなり広いです。
ということは、ボタンを押しすぎてピッチが所望の値を超えたら恐ろしい数のボタンを押さなきゃいけないのか?と思ったら、長押しで440Hzに戻るようになっていました:
多くの場合、ピッチは 440Hz/441Hz/442Hzあたりを使うので、よく使われるあたりを便利に使えるようにしたという、合理的な設計のようです。
電源を切っても前回の設定を覚えているのでピッチを固定で使う分にはどのピッチでも使えそうですが、439Hz以下と440Hz付近を使い分けたいという場合は面倒かもしれません。
充電には専用ケーブルが必要
充電端子は本体下部にあり、USB端子に差した専用の充電ケーブルを接続して充電します:

充電ケーブルと本体には磁石があり、正しい向きでないと接続できません。また、接続されれば吸着し続けます。
充電式クリップチューナーの宿命ではあるのですが、充電に専用の充電ケーブルが必要なのは残念です。
とはいえ、できれば汎用のUSB端子(USB-Cとか)だと良いのですが、そうするとどうしても本体が大きく、重くなってしまいます。
幸いフル充電で3時間は使えるので、使い終わったら充電するなどまめに充電すれば問題はないでしょう。
ちなみに充電時間は1.5時間とマニュアルに書かれていましたが、購入直後に充電したらもう少しかかりました。
4軸調整で顔のほうに向けやすい
Sondery ClipTuneには4つの可動軸があり、それらを調整することで自分が見やすい角度に画面を向けられます:

おお!と思ったのが画面についた軸で、360度ぐるぐる回ります。また、クリップについた軸も360度回るので、本当に自由度が高いです。こんな感じで回ります:
一方で、画面表示の自動回転機構はないので、逆向きにしてしまったら手動でひっくり返さなくてはなりません。
針と数字で調弦を確認
肝心の調弦時の表示はこんな感じです:
スマホのカメラだとうまく撮影できず、画面が汚く見えますが、実際にはスマホやスマートウォッチのアプリのようなきれいな画面です。
こちらのYouTube上のSondery社のプロモーションビデオのほうが実際に近いかと思います(これでもまだ実際より暗いです):
上の2つの動画でわかるとおり、チューニング具合は針表示と左上の数字の表示で示されます。
針表示がざっくりしたチューニング具合で、針が動かなくなった後は左上の数字を「0」に近づければチューニング完了です。
とはいっても、ギターはそもそも弦の不良振動などで完璧にチューニングが合うことはないので、だいたい±3の範囲にあればチューニングがあった状態と言えるかと思います。
スペック上の精度は±0.5セントとのことですが、私の耳で聞く限りチューニングの精度は悪くありません。もしかすると針表示が±0.5セントで、数字はもっと精度が高い可能性もあります。
ちなみpolytune Clipはストロボモードで±0.02セントですので、精度を追い求めるならこちらがおすすめです:
気楽に電源を入れっぱなしにできるのがうれしい
電気式のチューナーを使っていると、電源をON/OFFする手間が面倒に感じられるときがあります。
かといって、普通の電池式チューナーは電池の残量が正確に出ないことが多く、いきなり使えなくなる可能性もあるので、気楽につけっぱなしにできないでしょう。
Sondery ClipTuneは音を出し続ける限り電源が入りっぱなしになる仕様、かつバッテリー残量がスマホのように表示されるため、気楽に電源をつけっぱなしにできます。ちゃんとオートパワーオフ機能もあり、音が検出されなければ3分で電源は切れます。
さらに、バッテリーが切れたとしても電池式と異なり新しい電池を入れる必要がないため、コスト面でも有利です。
実際にはバッテリーもだんだんとへたっていくわけですが、充電回数によって決まるため、それほど長時間使わず充電回数が少ないチューナーの用途で使う分にはあまり気にする必要がないのではないでしょうか。
ステージ上で曲間のチューニングをする際もわざわざ電源を入れ直す必要がないのが便利です。
画面の明るさや色が変えられないのが不満
1つ不満があるので、画面の明るさや色を変えられない点。周りが暗かろうが明るかろうが、常に同じ明るさで光ります。
まぶしいと感じられる光量ではありませんが、ステージの上など周りの状況によってははばかられることがあるかもしれません。
また、できれば色を自分好みカスタマイズしたいと思います。
これらはコストとの兼ね合いもあって簡単には実現できないかもしれませんが、今後はTFT液晶や有機EL液晶を搭載したチューナーが他社からも出てくるでしょうから、後続製品に期待したいです。
製品名はSondery ClipTune? AROMA AT-800?
このチューナー、Sondery ClipTune以外にも「AROMA AT-800」という名前で販売されています。
調べてみた感じ、どうも元々はSondery社の製品のようなのですが、日本では「AROMA AT-800」という名前になっているようです。さらにいえば、もしかするとSondery社も自社開発ではなく、中国かどこかの製品をOEMとして販売しているのかもしれません。
AmazonではSondery社の日本代理店らしきところ(Sondery JP)から購入できます:
楽天など日本のショップではAROMA AT-800を購入できます:
私は安かった(2000円ほど)のでSondery ClipTuneを買いましたが、もしかすると保証などの点ではAROMA AT-800の方が安心かもしれません(未確認です)。
一応、Sondery ClipTuneのマニュアルにはアフターサービスの連絡先が書かれていますし、Amazonの販売者は「Sondery JP」になっていました。
画面が見やすく、小さくて軽く、ランニングコストが安いチューナー
実際に使ってみてSondery ClipTuneは、TFT液晶を搭載しているだけあり、非常に画面が見やすいチューナーだと感じました。
小さくて軽く、かつ可動軸が4軸もあって見やすい角度に調整しやすいのもうれしい仕様です。
また、バッテリー式なので電池交換の費用がいらず、よく楽器を練習する人ほどお得なチューナーといえるかもしれません。
私はpolytune Clipの代わりに、しばらくこちらを使ってみようと思います。